今回は薬剤師らしく新薬を紹介したいと思います。
タイトルの通り、紹介するのはコレクチム🄬軟膏です。
なんと製造販売元は「JT」でお馴染みの日本たばこ産業(株)でした。
詳細な情報はインタビューフォームなどにしっかり記載されているので、
私が重要と思う要点だけピックアップしますね♪
特徴
- 外用としては新機序(JAK阻害剤)
- プロトピックのような仰々しい警告がなく、光線過敏などの副作用の報告ない
- 強さはプロトピックと同程度とのことでstrong~mediumぐらい (メーカー談)
主な注意点
- 5gチューブだが1FTU (フィンガーチップユニット)になるように設計
- 臨床試験の性質上小児適応なし(現在は承認待ちとのこと)
- 1日5gが上限(プロトピック🄬軟膏と一緒)
- 感染症には用いない(JAK阻害は抗リウマチ薬でもあるように免疫抑制作用)
- まだデータに乏しいため未知の副作用があるかも
参考:コレクチム軟膏0.5% インタビューフォーム
感想
非ステロイドでプロトピックのような熱感などの刺激が少ないというだけで非常に使いやすそうですね。
まだまだ外用であってもステロイドはあまり使いたくないという人は多いです。
小児のアトピーではタクロリムスもよく使われますが、光線過敏症や熱感などの頻度が多く、
炎症症状が強い状態では非常に使いにくいものでした。
副作用面では今のところ刺激感の記載ありますが、今のところタクロリムスと比べて優れてそうです。
非ステロイドで刺激や熱感が少なく今後のアトピー治療の常識が大きく変わりそうな予感です。
しかし、1番私が厄介に感じるのは5gチューブで1FTUしてしまったことです。
すごい親切設計なんでしょうけど、今後に5gチューブで0.5FTUと1FTUの製剤が乱立すると思うと、
薬剤師としてはぞっとします。
患者さんからしても併用薬同士で手のひら1枚や2枚と違うのがあるとややこしいですよね。
また、アトピー性皮膚炎が適応症ですが小児に適応がないのも残念です。
ただ、小児への臨床試験は終了しており、2~16歳の小児適応も近いうちに追加になるかもしれません。
あと補足として日本皮膚科学会がさっそく安全使用マニュアルを出しました。
皮膚科の医師界隈からもインパクトが大きいものだったのだと思います。
このマニュアルは診療上の注意という点が大きいため、
薬剤師として言及することは多くありませんがしっかり読んどきましょう。