薬剤師の生態

【意外と知らない】漢方に使われるスーパーでも買える食品

へむ
へむ
今日は日本の漢方薬の中に含まれる、一般的な食材を紹介します。
仔かぴ達
仔かぴ達
また、雑学シリーズですか?今回のは何か役に立つんです?
へむ
へむ
まあ、雑学だね。一度アレルギー体質でその生薬が含まれない代替の漢方を探したことがあるけど、薬剤師10年してて1、2回程度の役に立つぐらいかな。
へむ
へむ
へむ的にはこういうシリーズは書いていて楽しいから、紹介したいから紹介する感じで行きまーす。

 

ショウガ

ショウガは漢方薬では「生姜(ショウキョウ)」あるいは「乾姜(カンキョウ)」として、

幅広い漢方薬で使用されます。

因みに、乾姜はショウガを蒸したのちに乾燥させたものです。

この2つは成分的にも若干異なっており、ショウガは加熱乾燥にて、

有効成分の「ギンゲロール」が「ショウガオール」に変化します。

ギンゲロールは殺菌作用や免疫賦活作用が強く、葛根湯などの風邪薬として使用されることが多いです。

ショウガオールは体を温める性質をもち、人参湯などの体を温める目的の時に使用します。

食材としてショウガを使用する際も調理方法を変えるだけで食品の持つ性質を変えれます。

 

ヤマイモ

ヤマイモは生薬名「山薬(サンヤク)」と呼ばれます。

尿漏れ頻尿のハルンケア®でお馴染みの八味地黄丸や牛車腎気丸に含まれます。

主有効成分はジオスゲニンと言って、なんと神経回路の再構築機能があるみたいです。

去年の漢方の学会に行ったときに一番の衝撃でした。

因みに今の認知症の薬はアミロイドβやタウタンパクを標的にするか、血流を改善するかですが、

このジオスゲニンはどちらとも異なる作用機序であり、ラットでは認知機能の改善をしたとのことで、

私がもっとも期待している物質です。

参考;富山大学の記事

学会でこれを聞いてから、ヤマイモを食べる頻度が急増しました。

 

シソ

シソは生薬では「紫蘇葉(シソヨウ)」と呼ばれます。

喉の痞えの半夏厚朴湯や、虚弱体質者の風邪の香蘇散に使われます。

香り高いシソは精油成分を多く含み熱でどんどん揮発していきます。

煎じるときは、沸騰すると精油成分がみるみる、なくなっていくので、

他の生薬が煎じ終わる直前に入れて煎じます。

 

牡蠣

正確には牡蠣の殻が生薬で「牡蠣(ボレイ)」と言います。

大正漢方胃腸薬でお馴染みの安中散などに使用されます。

成分は貝殻なので基本的にはほとんど炭酸カルシウムです。

因みに炭酸カルシウムは理科の実験とかで塩酸に溶かして

二酸化炭素を発生させたのを覚えているでしょうか?

炭酸カルシウムは水に溶けずに塩酸に溶けるのです。

これがどういうことかというと、煎じた成分をフリーズドライした

エキス製剤中にはほとんど牡蛎の成分が含まれていないということです。

安中散はもともと「散」の名の通り、散剤であり生薬を粉々にして使います。

因みに大正漢方胃腸薬はエキス剤ではなく散剤です。

安中散は胃薬のような使い方をしますが、その薬効の一部に炭酸カルシウムが

塩酸(胃酸)と反応して中和することを利用しています。

そのため、安中散に関して言えば実感的に処方箋のエキス製剤より、

市販薬の散剤の方が胃症状に対してより効果的です。

 

おわり