薬局の仕事

【漢方薬】医療用と市販は何が違う?

へむ
へむ
今回は医療用の漢方薬と市販の漢方薬は何が違うのか?という話をします。
仔かぴ達
仔かぴ達
漢方薬同士なのに違いがあるんですね!
へむ
へむ
そう。薬剤師は市販の薬も含めて管理する必要があるため知っておきたい内容です。

量が違う

まず市販と医療用の漢方薬で大きな違いは「量」です。

基本的に市販の漢方薬は医療用の1/3~3/4の間ぐらいの量になっています。

薬で量と言うのすごく重要です。

ガスター錠10mgを買っているつもりが、

ガスター錠5mgを買ってしまっている感じです。

当然薄い漢方薬を飲むことになるため、

血中濃度は十分に上がらず効果が得られないことも。

 

しかし、量にはきちんと医療用の何分の1の量が含まれているか記載あります。

少し値ははりますが、1/2量なら2包飲むというのも1つの手です。

 

満量処方

「満量処方」という言葉は聞いたことがありますでしょうか?

これは医療用と同等の量が含まれている漢方薬のことです。

医療用と同じ量を飲みたいのであればこちらの記載があるものを使いましょう。

 

名前が違う

次に名前が違います。

市販の漢方薬は漢字の名前ではなく、カタカナの名前であることが多いです。

例えばハルンケア®と聞いて何の薬を思い浮かべるでしょうか?

CMでは「尿漏れ頻尿にハルンケア®」というキャッチコピーで

泌尿器系の薬かな?ハルナール®の仲間かな?って感じでしょうか。

答えは漢方薬の「八味地黄丸」

カタカタの商品名になると漢方薬と結びつかないこともあるのではないでしょうか?

服薬相談の時に市販の薬を飲んでいるかと聞いて、

飲み合わせを確認しないといけないため薬剤師としてはある程度覚えておきたいですね。

有名な薬を一応列挙してきます。

 

商品名 漢方薬名 標榜している効果
カコナール® 葛根湯 風邪の初期
ハルンケア® 八味地黄丸 尿漏れ・頻尿
ユリナール® 清心蓮子飲 夜間頻尿
ナイシトール® 防風通聖散 肥満
ビスラット
  • ゴールド 大柴胡湯
  • アクリア 防己黄耆湯
肥満
コッコアポ®
  • プラスA 防風通聖散
  • EX錠 防風通聖散
  • G錠 大柴胡湯
  • L錠 防己黄耆湯
肥満
チクナイン® 辛夷清肺湯 蓄膿症
ダスモック® 清肺湯 気管支炎
ユービケア® 桂枝加苓朮附湯 手指のこわばり
タケダ漢方便秘薬® 大黄甘草湯 便秘
大正漢方胃腸薬® 安中散+芍薬甘草湯 胃もたれ

 

成分が違う

最後はちょっと特殊な例です。

まあ、生薬なので産地によって多少の差があるものもありますが、

物によっては全く異なるものがあります。

 

大正漢方胃腸薬®の安中散と医療用の安中散です。

医療用のものは基本的に漢方薬の「エキス料」というものを使用しています。

エキス料と言うものは漢方薬を煎じた物をフリーズドライして粉にした製剤です。

 

対して大正漢方胃腸薬®の安中散は生薬の混合粉末です。

これはどういう違いがあるかと言うと医療用は煎じた物の粉

大正漢方胃腸薬®は生薬そのものをつぶした粉を使用しています。

煎じるという作業は生薬の中から水溶性成分を抽出するということです。

要するに大正漢方胃腸薬®は水溶性成分以外も含まれているということです。

 

安中散には牡蠣という生薬があり、牡蠣の貝殻です。

貝殻の主成分は炭酸カルシウムです。

中学校の実験でもした人は多いと思いますが、

牡蠣の貝殻は水に溶けないが、塩酸に溶けて二酸化炭素と水を発生します。

体内では胃酸と反応して塩酸を二酸化炭素と水にするというわけです。

安中散は胃もたれに用いる漢方薬ですから、この牡蠣の炭酸カルシウムの含まれる量は

胃酸を中和するかどうかに強く影響するため、

胃もたれには医療用の安中散より大正漢方胃腸薬®の方が優れているのです。

 

 

漢方薬の名前で「~湯」は煎じて服用ですが、「~散」「~丸」は

本来、生薬の粉末を使用します。

医療用漢方薬のは全てエキス料なので水溶性成分は含まれないため注意が必要です。