なぜ急性期の患者に薬の指導は不要なのか?
今回のタイトルは薬剤師としては過激な内容かもしれませんが、
急性期の患者には薬の指導はほとんど不要です。
なぜかというと、説明しても無駄だからです。
急性期の患者さんは病状が辛く、長い説明を聞いていられる程余裕はありません。
普段なら人の話をしっかり聞けても、こと風邪や痛みで辛い時はそっちに気を取られます。
持って帰れる情報量のキャパのほとんどはお医者さんの話に持って行かれて、
薬局からも情報を持って帰れるほど余裕はありません。
だから、急性期で辛い状況の患者さんに薬の話をしたとしても殆ど無駄です。
頭に入らなかったり、早く帰りたい気持ちから反感を持たれたりするのです。
ただ、そんな場合でも質問をしたり指導を求める患者さんはいますので、
そんな時はしっかり指導をしてあげましょう。
急性期の患者に管理料は取れないのか?
指導が不要ならへむさんは薬剤服用歴管理指導料は取らないんですか?
という当然の質問が反ってきそうですが、
管理料は当然、、、
取ります。
管理料は薬の指導の報酬と思いがちですが、あれは薬の確認の報酬です。
併用薬だったり、残薬だったり、生活の注意点などを確認することへの対価です。
そして、もちろん確認は必要です。
急性期であっても患者さんが安全に薬を飲めるようにするための確認はしましょう。
説明も必要だが
当然、用法や注意すべき副作用の説明も必要です。
しかし、前述の通り、患者さんが持って帰れる情報量のキャパはほとんどありません。
説明は無駄を省き、コンパクトにする必要があります。
具体的には、薬情、手帳、薬袋などの文章を利用します。
特に持って帰って確認してほしい情報には、赤丸やマーカーで印をつけます。
書いてないものは、どこかに簡単にメモ書きを残しましょう。
あとから、患者さんが落ち着いたときに見返せるようにしておきましょう。
薬の確認や説明は指導と違う
「それって、薬の指導と何が違うの?」
ってツッコミを入れた方!
そう、へむは勝手に
「薬の用法や簡単な注意点を言うだけ」
を薬の指導と認めていないだけでもあります。
逆に言うと、それだけなら薬情にマーカー入れたら終わりです。
お腹が痛くて話を聞けない人にも伝えられることなんです。
そして、それの語り手が薬剤師である必要は全くありません。
薬剤師の服薬指導はそんな簡単なものじゃありませんよね?
薬の指導が薬情程度の内容だった人はもう一度思い直してください。
あなたの仕事は必要ですか?
そして、患者さんにとってもっと必要な情報って何ですか?